マシンビジョンシステムとは?製造現場における重要性と導入課題について

技術紹介
Ganzy
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こんにちは、Ganzyです!!今回はマシンビジョンシステムについて紹介していきます。DX活動の中核に位置するマシンビジョンシステム。その重要な点や課題についてまとめておりますのでぜひご覧ください!!

マシンビジョンシステムとは

マシンビジョンシステムとは、人がおこなっている認知・判断といった行動を機械によって置き換えるシステムのことを指します!!例えば人がおこなっている目視検査をカメラと画像処理で自動化するなどになります。

このマシンビジョンシステムがDX活動の盛り上がりを受けて様々な製造現場にて導入が検討されております。しかしマシンビジョンシステムについて今まで触れ来なかったひとは何から手をつけてよいのかわからず見当違いな導入をしてしまう可能性も多々あります。

そこでマシンビジョンシステムを構築するために重要なことと、導入する上での課題について示していきたいと思います。

マシンビジョンシステムの構築について

マシンビジョンシステムを構築するためには、主に以下の2つの要素になります。

  • 光学系(カメラ・照明)
  • 画像処理部

ここで勘違いもしくは警視されているのが光学系になります。昨今AIの台頭により難しい課題についてもカメラで撮影さえすれば簡単に判定できると勘違いしている人がたくさんいます。しかしAI(深層学習)においても撮影条件を一定にしなければ所望の制度や汎化性を達成することができず導入ができなくなるケースがあります。ですのでマシンビジョンシステムを構築する際は、適切な照明とカメラを選択して検出したい対象領域とその他の領域のコントラスが高くかつ不変的な画像が取得できるように心がけましょう!!

ここで照明を選定するうえで助けになってくれる(僕がよく使っている)メーカーを紹介します!オプテックス・エフエーというメーカーで様々な照明およびセンサ類を扱っております。ぜひ参考にしてみてください!!

センサ・LED照明のオプテックス・エフエー(OPTEX FA):OPRシリーズ
ファクトリー・オートメーション用の画像センサ・変位センサ(変位計)・光電センサ・LED照明等の開発、製造、販売。

次に画像処理部についてです。画像処理部では所望の結果を得るために画像処理アルゴリズムを構築する必要があります。ここで画像処理アルゴリズムには大きく2種類あります。それは①ルールベース、②AIです。①ルールベースでは、ある決められたルールに従って処理結果を判定したり分類する手法になっており従来より使用されていたアルゴリズムになります。一方で②AIでは深層学習を用いて今まで判定が困難であったものに対して精度よく判定を行うことができるようになります。

この2つの手法は求められる精度や取得できるデータ数などに応じて使い分けを行う必要があります。これらの点についてまとめたブログを書いておりますのでぜひご覧ください。

マシンビジョンシステムの課題

さてマシンビジョンシステムを導入する上での課題についていくつか紹介していきたいと思います。

①目視検査と結果が合わない

マシンビジョンシステムを導入するとよく発生するのが目視精度との乖離です。ここで目視より精度が低い場合は光学系や画像処理部を見直す必要がありますが、厄介なのは目視より精度がよい場合です。この場合、往々にして「過検知だ!!」と批判されることがあるのですが、結果を見ると明らかに欠陥部を検出していることも多々あります。また新たに検出できるようになった欠陥について報告したとしても現状の品質基準を変更するなど面倒なため、「目視と同等程度に変更してくれ」とスペックダウンする方向に要求が出たりもします。

対処法としては、UI上に出力される結果は目視と合わせた値を採用する(例えばサイズや明るさで閾値をもうける)。一方でログデータとして残る値は、目視以上の感度で検出した結果についても記録するようにします。こうすることで現状の工程を変更せず、新たな欠陥についてもデータを蓄積することができます。

②目標精度が曖昧

今まで目視でなんとなく見ていたものに対してマシンビジョンシステムを導入した場合、目標精度が不明瞭なため、なかなか開発が終わらないケースがあります。また開発を進めていくうちにあれやこれやと要望が肥大化することも多々あったりします。ですのでマシンビジョンシステムを開発する際はまず目標精度を決定してから取り組む必要があります。当たり前でしょ?と思われる方もいらっしゃると思いますがこれが非常に難しいのです。目標精度を明確にするために現場とのコミュニケーションを大事にして現実的で意味のある数字を見つけ出すことを心がけましょう!!

③AIによる判定根拠が不明瞭

DX=AIという考えのもとマシンビジョンシステムの画像処理部にAIを活用する場合も多々あるかと思います。ここで製造現場では往々にしてなぜNGとなったのかという判定根拠が重要視されます。しかしAI(深層学習)を用いた場合、重みの計算が非常に複雑でありどの説明変数に依存的であるかを示すのが難しく判定根拠がわからない場合が多いです。ですのでマシンビジョンシステムを開発する際は判定根拠が必要であるかを堪忍し、深層学習を用いるのか、判定根拠が説明しやすいルールベースで構築するのかを決めなければなりません。

まとめ

マシンビジョンシステムを導入はDX活動の中核になり生産性向上を達成するために非常に重要な技術になります。マシンビジョンシステムで重要なことや課題を把握し適切な開発・導入することを心がけましょう!!

また製造現場で導入が簡便な異常検知モデルについてもブログにまとめておりますのでぜひご覧ください!

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