[初心者必見]画像処理アルゴリズム開発の基本的な考え方について!!AI技術と従来の画像処理との違いと留意点について

GAN&画像処理
Ganzy
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こんにちは、Ganzyです。今回は画像処理の基本的な考え方と、AI技術を用いた画像処理との違いについて解説していきたいと思います。昨今、画像処理技術はますます重要な技術になってきておりますので、ぜひご覧ください!!!

画像処理とは

画像処理とは、どのようなものなのでしょうか?考え方はいろいろありますが私の考えを記述します。

画像処理とはウィキペディアを引用すると

画像処理(がぞうしょり、Image processing)とは、主にコンピュータを使用して、画像を変形したり、色合いを変えたり、別の画像と合成したり、画像から何らかの情報を取り出す等の処理全般を指す。ことと記載があるように画像から情報を取り出すことが画像処理の定義になります。

ですので Phitoshopなどできるようなノイズ除去や色味変換は画像処理とかではなく、画像加工ということになりますので混同しないように注意が必要です。

さて画像処理の定義については上記で示しましたが、具体的な方法としては2つの段階に分けられます。

それは、

①領域を抽出する②領域から幾何学的もしくは明るさ情報を算出するという流れになります。すべてがこれに準ずるわけではないですが大半の画像処理の流れはこちらのようになります。

ですので画像処理を行う際はどのように所望の領域を抽出するのか、そして抽出した領域からどのように情報を引き出すのかという2段階のアルゴリズム開発が必要になります。

画像処理の具体例について

具体例をもとに画像処理について考えていきたいと思います。

例えば、下図のような画像に対して図形個所の面積値を求めることを考えます。当然そのままの画像からでは図形の面積値を求めることはできません。このような場合一般的には2値化処理を実施し図形領域を抽出して面積値を求めます。ここで2値化処理とは、ある閾値以上(以下)のピクセルに1、それ以外のピクセルに0を与える処理になります。

なので画像内の背景の明るさが10、三角の明るさが50、円の明るさが200の場合、2値化の閾値に11~49を設けることで図形領域のみに1を割り振ることができます。なお2値化後の画像では1と割り振られた個所を白色で表現します。その後、1が割り振られたピクセル数を足し合わせることで面積値を算出することができます。

このように単純に面積値を求めたい場合でも、どの領域から面積値を算出するのか明確にする必要があります。ですので領域を抽出する正確さがしばしば画像処理アルゴリズムの判別精度に直結しますし、画像処理エンジニアの腕の見せ所でもあります。

ちなみに過去記事で2値化処理のGUI開発を紹介しておりますので興味がある方はぜひ!!

従来の画像処理とAIを活用した画像処理との違い

ここで昨今AIを用いた画像処理が脚光を浴びておりますが、実際何が今までの画像処理よりすぐれているかご存じでしょうか?

単純に精度が高くなった!!では非常に理解不足であり、今後AIをツールとして使用していく中で理解しておくべき重要な点であると私は考えます。

ではどのような個所が今までの画像処理とは違うのかというと、本記事で紹介した一連の①領域抽出→②領域から情報を算出するという流れを自動で行ってくれるところになります。

従来の画像処理では上記流れの中で、画像の特徴をつかみ所望の判別を行えるようアルゴリズムを開発しますが、AI技術では判別したい内容と画像データを与えることで判別に必要な特徴を自ら見つけ学習し、高い精度で判別できるようになります。

例えば従来の画像処理では多種多様な猫と犬を精度良く判別する特徴を人が見つけてくるのが難しかったのですが、AIを用いることで従来より優れた判別結果が得られております。

このようにAIでは人が見つけることが難しかった画像の特徴を自動で抽出してくれるところが従来の画像処理に比べて優れているところになります。

画像処理手法の使い分けについて

AI技術は非常に強力で従来法に比べて精度向上が見込めます。しかし、すべてのケースに対してAIを用いた画像処理を適用するのは非常にナンセンスです。

なぜならAIには以下の弱点が存在しているからです。

  • 画像のアノテーションが必要
  • 膨大な画像枚数が必要
  • 判断根拠の説明が難しい

まずAIを学習させるために大量の画像と、学習する画像に正解ラベルを付与する作業(アノテーション)が必要になります。これらの作業は非常に工数のかかる作業なので事前に工数の余地があるのか確認する必要があります。

また判断根拠の説明が難しいという点については、従来の画像処理であれば製品の面積値が規定値以下のためNGと判別したなど容易に説明ができるのですが、AI技術の場合、どのような特徴を用いて判別したのかがブラックボックスになっており、明確な判断根拠がわからないことが多々あります。上記特性を嫌い製造現場では従来の画像処理を採用することもあるそうです。

このようにAIを活用した画像処理は精度の観点では非常に優れているのですが、画像枚数が十分収集できるか、判断根拠の説明は必要なのかなどの観点も交えながら適切な画像処理手法を選択する必要があります。

まとめ

  • 画像処理とは一般的に①領域を抽出→②領域から情報を算出する流れ
  • 画像処理では様々な観点から従来法orAI技術を選択する必要あり

参考リンク先

画像処理 - Wikipedia

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